沖縄を深く知るためのガイドブック
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沖縄探見社の本


新刊・既刊の紹介

データで読む沖縄の自然環境

 

50年で大きく変貌したサンゴ礁

希少種を追いつめる新たな天敵

 

・今脚光を浴びる沖縄の自然

沖縄県内では、国際的に重要な湿地として5カ所がラムサール条約登録地。国立公園も「西表石垣」「慶良間諸島」に加えて、新たに「やんばる」(沖縄本島北部)が指定される見通し。世界自然遺産登録をめざした動きが活発化する。

・何が沖縄の自然をむしばむか

 一方、現状を見渡すと、沿岸部の開発や埋め立て工事、赤土の流入、外来種の侵入、地球温暖化、さらに米軍基地がまき散らす有害物質など希少な動植物や国内随一のサンゴ礁への脅威は大きい。 

・図表も使って分かりやすい解説

 やんばる(本島北部)の森からマングローブ林やサンゴ礁まで、沖縄の自然を網羅するデータを図表とともに使ってやさしい説明。専門性の高い内容についてはコンパクトで分かりやすい解説や背景説明を加えている。




 

A5判 全112ページ 高橋哲朗著

定価1000+税 沖縄探見社発刊

 
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本文の一部紹介

【本書の主な構成】(一部抜粋)

第1章 希少な生き物たち:微妙な生命バランス/押し寄せる開発の波/新たな天敵の出現/変わる生育環境 第2章 干潟・マングローブ林:命を育む遠浅の海/変貌する中城湾/野鳥の楽園 第3章 サンゴ礁:県内全域調査/サンゴを脅かす要因/慶良間諸島国立公園 第4章 米軍基地:環境問題から見た辺野古移設/隠される汚染物質

【発刊の趣旨】

沖縄も世界自然遺産の候補として名前が挙がるようになり、国立公園の西表島全域への拡大(※)や、沖縄本島やんばる(北部)地域の国立公園化計画など、登録に向けた具体的な動きが進んでいる。ユネスコは登録の条件として法規制による保護強化を求めており、世界遺産として認められるためには国立公園の区域拡大や新規指定は欠かせないといわれる。

ただ、気になるのは、「登録されるか」「登録されないか」にばかり関心が集中し、単なる格付けになりかねないことだ。世界遺産に登録されれば保護する価値があり、登録されなければ保護する価値がないのか。沖縄が登録されたとしても、全地域が登録されるわけではない。登録されなかった地域は価値がないのか。

世界遺産の原点に戻れば、登録される、登録されないにかかわらず、どれだけその価値が広く社会に伝わるかが重要だろう。専門家から認められ世界遺産として登録されることと、一般の人がそれを理解することは別である。価値が伝わらなければ、一過性のブームで終わり社会の関心は薄まるだろう。地域の財産として前の世代が現在に至るまで代々引き継いできた歴史や、その財産を今後の世代が引き継げる未來へ思いをはせられるか。多くの人々を引きつける価値があるか。地域の財産や遺産という考え方ができるかどうかが鍵となろう。

本書は、沖縄の自然環境がどのような状態にあり、どのような脅かす要素があるか、可能なかぎりデータを使い分かりやすく解説することを心がけた。世界遺産候補にとりあげられた機会に、沖縄の自然環境を見直す一助にしていただければ幸いである。

 

※国立公園の西表島全域への拡大

西表島は、内陸部を中心として島全体の3分の1が「西表石垣国立公園」に指定されているが、2016年4月、国立公園区域が島全域に拡大された。



【本書の注文方法】

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■本文の一部紹介


開発の波をもろにかぶるウミガメ 

海に囲まれた日本では、古くから海の生き物たちとのかかわりが深いが、その中でも、ウミガメほど親しまれてきた生き物はないだろう。愛嬌のある風貌に加え、海中を優雅に泳ぐ姿は神秘的である。「浦島太郎」をはじめ各地に伝わる昔話や伝説に登場するとともに、長寿の象徴として崇拝されてきた。しかし、身近である分、人間社会の変化の波をもろにかぶる。弊社から刊行された『データで読む沖縄の自然環境』は、近年のウミガメをめぐる状況について次のように説明している。


 






「<表4>全国のアカウミガメ産卵回数

2004年 3562     2009年 4710

2005年 3405     2010年 6951

2006年 1919     2011年 6323

2007年 2141     2012年 9661

2008年 6771

  環境省自然保護局生物多様性センターの「モニタリングサイト1000ウミガメ調査 20042012年度とりまとめ報告書」によれば、アカウミガメの上陸産卵数は1990年代、減少傾向にあったものの、2000年代に入ると、<表4>のように増加基調に転じる。

 しかし、日本ウミガメ協議会の松沢慶将会長は、「著しい地域格差」があると指摘する。「屋久島や宮崎でこそ爆発的な増加を見せている一方で、四国や本州などでは依然として回復の兆しがみられないか、あったとしても非常に弱いものにとどまっていることには注意が必要である」。徳島県阿南市の蒲生田海岸では1960(昭和35)年ごろ、年間800回ほどの上陸があったが、ここ20年ほどは50回を超えた年はない(★1)。また、八重山諸島の黒島・西の浜では1980年代、毎年1040回の産卵があったが、2000年代に入ってからは5回未満にとどまっている(★2)。 

<表5>南西諸島におけるアオウミガメ産卵回数

2004年 161     2010年 258

2005年 114     2011年 137

2006年 107     2012年 265

2007年 136     2013年 359

2008年 103     2014年 199

2009年 112 

 アオウミガメについては<表5>のように、2004(平成16)年から2009(平成21)年まで年間100回から160回の間だったが、2010(平成22)年から年ごとに大きな増減を繰り返し安定していない。2012(平成24)年の増加は、それまで年数回しか記録されなかった種子島・長浜の急増が要因と考えられる。2014(平成26)年も、前年から減少したものの、最も多かったのだが種子島・長浜だった。

黒島・西の浜も、急にアオウミガメの産卵が確認されるようになった調査地点。1970年代から1980年代にかけてアカウミガメの産卵の方が多かったが、1990年代から急にアオウミガメが確認され始め、現在ではアカウミガメを上回るようになった。地球温暖化の影響で海水温が上昇し、高い水温を好むアオウミガメの産卵地が北上している可能性がある」









増える希少動物の交通事故 

 森が切り開かれ開発が進むと、沖縄の希少動物にさまざまな影響が及ぶが、交通事故の増加がその一つである。弊社が最近発刊した『データで読む沖縄の自然環境』は次のように説明している。

「<表2>ヤンバルクイナの交通事故

1998年 11)     2007年 2321

1999年 11)     2008年 1916

2000年 33)     2009年 2016

2001年 44)     2010年 3331

 2002年 43)     2011年 3729

2003年 65)     2012年 4745

2004年 66)     2013年 3529

 2005年 1212)    2014年 4743

 2006年 1312)    2015年 3736

※カッコ内の数字は死亡事故件数

<表3>ケナガネズミの交通事故件数

2006年 11)     2011年 2524

2007年 22)     2012年 99

2008年 11)     2013年 1515

2009年 55)     2014年 88

2010年 1717)    2015年 11

※カッコ内の数字は死亡事故件数

希少動物たちの交通事故が頻発している。特に目立つのがヤンバルクイナ。環境省那覇自然環境事務所によれば、<表2>のように、1998(平成10)年と1999(平成11)年は年間1件であり、2000年代前半も年間数件だったが、2000年代後半になると2桁を記録するようになり、2010年代は年間3040件で推移している。ケナガネズミについても、<表3>のように、2009(平成21)年、2010(平成22)年ごろを境に増加傾向が読みとれる。

 原因としては、森林開発が進んで本来の生息地を追われていることが考えられる。人間の生活区域に入り込む機会が増えている上、側溝にたまった土に昆虫やミミズが生息するなど道路が格好のエサ場になっていることも指摘される。

 西表島だけに生息する国の特別天然記念物、イリオモテヤマネコ(※1)にとって、交通事故は最大の脅威といわれる。発生件数は2012(平成24)年が2件、2013(平成25)年が6件、2014(平成26)年が4件、2015(平成27)年が3件。1978(昭和53)年から2016(平成28)年3月までに延べ件数が71件、うち死亡事故が68件を占める。ヤンバルクイナに比べると少ないようにみえるが、イリオモテヤマネコの推定生息数がわずか100109匹(2005年―2007年の環境省調査)であることから、事故の影響は小さくないといえよう。

 イリオモテヤマネコは山奥よりも山のふもとにひろがる森林の湿地や川の近くにすみ、昆虫や魚、カエル、ヘビ、ネズミなどを食べる。沿岸部を走る島唯一の幹線道路が生息域の中を通るため、ヤマネコは道路を横断せざるをえない。活動範囲が人間の生活区域と重なる部分も多く、農地改良や観光開発による生息環境の悪化が懸念されている」

 








本島ではサンゴ礁10%以下が8割 

 沖縄といえば美しいサンゴ礁のイメージが強いが、実際にサンゴ礁の現状がどうなっているか語られることは少ない。結論からいえば、沖縄のサンゴ礁は全般的に低迷状態にあり、特に沖縄本島周辺のサンゴ礁は衰退が著しい。この点について、弊社が最近発刊した『データで読む沖縄の自然環境』は次のように説明している。

 「表6 沖縄本島周辺のサンゴ被度(サンゴが海底を覆う割合)

    非常に低い 54.4

    低い    24.6

    やや低い  13.6

    やや高い  6.0

    高い    0.9

    非常に高い 0.4

  ※全調査距離580kmに占める割合

  ※評価内容

   非常に低い→被度5%以下

   低い   →被度510

   やや低い →被度1025

   やや高い →被度2550

   非常に高い→被度75%以上」

 表6のデータは「沖縄県自然保護課が2009(平成21)年度から2011(平成23)年度にかけて、県内各地のサンゴ礁を調査した結果であり、各地域の海底がサンゴによって覆われている割合(被度)を表す。調査では、調査員がボートに引かれながら水深5メートル前後の海底を確認し(「マンタ法」と呼ばれる調査方法)、その被度を「非常に低い(5%以下)」から「非常に高い(75%以上)」まで6段階で評価する。さらに、数十メートル程度の範囲を泳いでサンゴ類の状況を観察する「簡易遊泳観察調査」による過去の記録と比べながら、県内のサンゴ礁がどう変化してきたかを追う」

「同調査によれば、最も状態の悪い被度5%未満の割合が一番高いのが沖縄本島周囲。<表6>のように、全区間580キロの54.4%と半分以上を占め、被度5~10%「低い」と合わせた被度10%以下の区間は、全体の79%にも達した。特に大浦湾から中城湾にかけての区間と、名護湾から浦添にかけての区間は被度5%未満が多い。一方、数は少ないものの、那覇空港沖や古宇利島東、大浦湾など被度50%以上の地点もあった」

「簡易遊泳観察法による調査結果をもとに、沖縄本島におけるサンゴ被度の移り変わりをみよう。1972(昭和47)年の調査では、被度の平均値、中央値がともに50%以上に達し、70年代以前のサンゴ被度は高かったと推測される。1976(昭和51)年の調査では被度の平均値が20%を割り込み、その後、2004(平成16)年ごろまで、平均値、中央値ともに低いままの状態が続き、2005(平成17)年以降は平均値が20%を超え、わずかながら増加傾向がみられる」







ヤンバルクイナが増えているかも 

 近年の調査によれば、沖縄を代表する鳥、ヤンバルクイナやノグチゲラが増えている可能性がある。弊社で最近発刊した『データで読む沖縄の自然環境』は次のように説明している。

やんばるだけに生息するクイナ科の鳥であり、成鳥の体長は約35センチ。翼は退化し日本で唯一の飛べない鳥である。胸から腹にかけて白と黒の美しい縞模様や真っ赤なくちばしなど、愛嬌のある風貌が特徴的である。そのイラストや写真は観光パンフレットから自然保護の啓発書まで頻繁に登場する。

 国の天然記念物や希少野生動植物種に指定されるとともに、環境省レッドリストでは最も絶滅の危険性が高い絶滅危惧ⅠAにランクづけされている。環境庁(現在の環境省)が1985(昭和60)年度に実施した調査と、山階鳥類研究所が1996(平成8)年から2005(平成17)年にかけて実施した調査によれば、ヤンバルクイナの推計総数は1985(昭和60)年で1800羽だったのに対して、2004(平成16)年が810羽、2005(平成17)年が717羽と6割減少している。その後は1000羽前後で推移し、2011(平成23)年頃から回復傾向を示し、2014(平成26)年には1500羽程度まで戻ったとみられるが、実際の確認数は少なく生息数は安定しているとはいえない状況である。

 また、ヤンバルクイナと並び、やんばるだけに生息する鳥として知られるのがノグチゲラである。成鳥の体長は約30センチ、キツツキ仲間であり、全体的に褐色だが、羽には4列の白斑があり、雄の頭頂は赤い。頻繁に地上に降りてエサを探す習性は、日本国内に生息する遺伝学的に近い種でも見られず、本来、肉食哺乳類に襲われる危険性のなかった、やんばるで育まれたとみられる。沖縄県の県鳥であり、国の特別天然記念物や希少野生動植物種に指定されるとともに、絶滅危惧ⅠAに分類されている。

1887(明治20)年に新種として発表され、明治時代には恩納村でも観測されたといわれるが、戦後、生息域は急速に狭くなり、現在は大宜味村塩屋から東村平良のラインから北に限られ、生息数も400羽前後と推定される。ただ、名護市内の山林で2014(平成26)年に成鳥の雄と雌各1羽と幼鳥1羽が確認され、さらに2015(平成27)年には、つがい1組と幼鳥1羽に加え営巣も確認され、生息域が南へ広がっている可能性も出ている(★1)。

1:琉球新報2014年6月19日付、2015年5月14日付







 データで読む沖縄の基地負担

沖縄における枯れ葉剤の投棄・散布疑惑

毎月のように起きる航空部品・備品の落下紛失

事故が続くオスプレイの恐怖



沖縄の基地問題をめぐって、日々伝えられる情報やデータは断片的で、時として専門的な用語をはらんでおり、分かりにくいことが多い。そこで、分野ごとに関連する情報やデータを結びつけ時間軸に沿って並べ替えるとともに、やさしい説明を入れ解きほぐすことによって、基地負担の全体像がみえてくる。近年起こった基地問題に関するデータを網羅。

 

A5判 全128ページ 沖縄探見社編

定価1100+税 沖縄探見社発刊

 





基地問題は「普天間」だけじゃない

 航空機騒音、米兵犯罪、事故の危険、環境汚染、さらにベトナム戦争時代の「遺産」枯れ葉剤問題も終っていない! 豊富なデータで浮かび上がる実態

新たな基地負担を問う

 隠蔽と不信の連鎖が渦巻く中でオスプレイを配備。「アメとムチ」で普天間基地の辺野古移設が強引に進められる。負担軽減と呼べるのか

基地をめぐる「歴史認識」

 沖縄の基地問題を真に理解するためには、本土防衛の「防波堤」となった沖縄戦や、本土の反基地運動を緩和するために実施された海兵隊の沖縄移転を踏まえる必要がある

 

【本書の主な構成】

■第1部 基地負担とは何か/隠される汚染物質/減らない騒音被害/明かされない事故原因/揺らぐ法の下の平等

■第2部 新たな基地負担:オスプレイの配備/複雑な開発史/配備をめぐり高まる懸念/新基地建設をめぐる動き:複雑化・長期化する移設交渉/豊かな自然が残る大浦湾/知事承認を目指す政府戦略/新基地にまつわる「神話」

■第3部 沖縄の戦後70年と米軍基地:沖縄における基地の起源/海兵隊の移転/基地被害年表など

 

 

【発刊の趣旨】

あなたの家の近くに、金網で囲まれた広大な施設があるとしよう。何かの作業が行われているが、一般人は決して中に入れず、具体的にどんな作業をしているか詳細は知らされない。時折、テレビの音が聞えなくなったり会話を満足に交わせなくなったりするほどの爆音が響き渡ることもあれば、火柱が立ち上がり付近の住宅に燃え移りそうになる。

銃弾にはじまって重さ数キロから数百キロに及ぶ金属の塊が周辺に飛び散ることも珍しくない。異臭を放つ液体が施設から流れ出ることもある。この施設に勤める人物たちは言葉がろくに通じない上、時として酒に酔って他人の家に侵入して暴れたり、傷害や婦女暴行の事件を起こしたりする。

周辺住民は当然、警察や行政に通報して調査してもらい、二度と同じことが起こらないように要求するだろうが、警察や行政ですらほとんど立ち入り調査ができない。施設側は住民から通報される被害に対して「当方は関知しない」とつっぱねることもある。事故が起きても原因を明らかにせず、数日後には「すでに安全は確認された」と同じ作業を再開することは当たり前である。こんな施設が短期間ならともかく、長期間にわたり存在することは、民主主義と法律に基づく国家では考えらないはずである。ところが、実際には存在する。沖縄の米軍基地である。

沖縄にはどのような基地負担があるか、本土からは見えにくい。このことは東京で友人や知人と話しているとたびたび感じ、沖縄に移り住む前の自分を振り返っても同じことがいえる。何となく沖縄には米軍基地が多くて大変だと思っていたが、大変なことを具体的に説明するとなると、航空機の騒音くらいしか頭に浮かばなかった。本土メディアがあまり伝えないせいもあるが、民主主義国家や法治国家としての常識からあまりにもかけ離れており想像しにくい面もあるだろう。本土にいるかぎり、ほとんど米軍にかかわることはない。日本を守るために命を懸けて戦うという、軍隊としての理想形しか頭にないかもしれない。

そうした意味では、沖縄の人々は軍隊の実際の姿を肌身で感じてきたといえよう。太平洋戦争中の沖縄戦では、大規模な地上戦が繰り広げられ、追い詰められた日本兵たちは、沖縄の住民に対してスパイの嫌疑をかけ虐待したり、避難壕からの追い出しや食料の略奪をはたらいたりした。必ずしも軍隊は自国の住民を守らないことが浮き彫りになった。戦後27年間続いた米軍統治のもとでは、軍としての方針が最優先され、新たな装備の導入や基地の建設は軍の判断一つで決定。住民が暮らしに必要な家や田畑は容赦なく接収され軍事施設に変わった。米兵が住民に対して事件や事故を起こしても罪に問われないことが珍しくなかった。

1972年に沖縄が本土復帰した後も、冒頭に触れたように米軍基地は日本の法律が及ばない治外法権の地であることに変化はない。安全第一と情報公開を原則とする民間とは異なり、軍隊は独自の論理で動く。安全よりも兵器や装備としての性能や軍事上の戦略作戦を優先し、情報は隠すことが原則であり公開は例外と思われる例がよく目につく。それでも自国の軍隊ならば、有権者として政治家を通じ歯止めをかけられるかもしれないが、外国の軍隊となれば、それも難しい。暴走しかねない危険をはらんでいる。

近年、中国や北朝鮮との緊張関係が高まり軍事的な衝突を恐れたり、国内外でテロによって日本人の生命財産が脅かされたりしていることから、日本は軍備を増強し、米国と安全保障面での協力関係を強化すべきとの声が本土では高まっている。同じ立場からだろう、米軍普天間基地を名護市辺野古へ移設する政府案の実施もやむなしの意見もよく聞かれる。

しかし、そうした意見の人々は沖縄が抱える基地負担についてどれだけ知っているのか。敵に対抗するための単純なゲーム感覚しか働いておらず、軍備や同盟関係の強化がどのようなコストを生むのか想定していないような気がしてならない。加えて、こちらが軍備を増やして敵が圧倒され諦めればよいが、敵がさらに軍備を拡充すれば、こちらはさらに対抗する必要に迫られ軍備増強レースに陥りかねない。

日本の中で今存在感を増しつある軍という問題とどう付き合うか考えるには、まずは軍事にはどれだけのコスト(費用)やリスク(危険)が伴うか明らかにする必要がある。その上で誰がどのように負担すべきか話し合いが始められる。本書は、そうした話し合いの前提の一つ、沖縄が抱えてきたコスト、基地負担とは何かを明らかにすることが主な目的である。


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沖縄の伝統行事・芸能を歩く


A5判、全128ページ、並製本、高橋哲朗著

本体価格1,100円+税
















【本書の概要】

・沖縄の多様でユニークな行事・芸能を紹介

 天才・岡本太郎を「こんな小さな島の中に、どうしてあんなに数多く、豊かに残っているのか」(『沖縄文化論 忘れられた日本』より)と驚嘆させた民俗芸能を、沖縄に今も息づく旧暦文化に沿って紹介する 

・写真を多用し地域ごとの特色や伝統の由来を解説

 同じ季節の節目でも沖縄では本土とまったく異なる行事が行われる。また、沖縄の中でもエイサーや獅子舞、綱引きなどは地域ごとの違いが際立つ。豊富な写真とともに地域の特色や伝統の由来を解説する 

・自分の目と耳で堪能する! 開催・鑑賞情報も掲載

 観光県・沖縄では伝統行事・芸能を気軽に見られる機会は多い。エイサーをはじめ地域のイベントの中で頻繁に上演されるからだ。こうしたイベントの開催・鑑賞情報もふんだんに盛り込んでいる。 


【本書の主な構成】

○旧暦と行事・祭り 

◯鬼伝説と人間の距離   <旧暦十二月八日 鬼餅>

◯大漁旗で新年の祝い   <旧暦一月一日~ 旧正月>

○辻の華ジュリ馬     <旧暦一月二十日 二十日正月> 

○極彩色の神輿が海へ   <旧暦三月三日 浜下り> 

◯沖縄角力は四つ組みから <新暦五月 牧志ウガン角力大会>

○海人の誇り爬龍船競漕  <旧暦五月四日 ハーリー> 

○山で霊力をまとう男たち <旧暦七月の亥の日 シヌグ> 

○胸に響く太鼓の音と踊り <旧盆 エイサー> 

◯静寂の祈りと歓喜の競漕 <旧盆明け最初の亥の日 塩屋の海神祭>

○綱に注ぐ魂と肉体の躍動 <旧暦六月~八月 大綱引き> 

○威厳と愛敬のリアルな動き<旧暦七月~九月 獅子舞>

◯多彩な芸能を見られる機会<旧暦八月 八月踊りなど>



【本書の概要】

天才画家、岡本太郎に「こんな小さな島の中に、どうしてあんなに数多く、豊かに残っているのか」(『沖縄文化論 忘れられた日本』より)と驚嘆させた伝統行事・芸能を、沖縄に今も息づく旧暦文化に沿って紹介しているのが本書である。

半裸の格好に草木を巻き付け練り歩く「安田のシヌグ」のように古い時代の香りを漂わせる儀式もあれば、赤毛のかつらを被り棒を操りながら踊る「南之島(フェーヌシマ)」のように出所不明の芸能もあれば、「唐人行列」「路次楽」や「打花鼓」のように中国の影響が鮮明な芸能もある。旧盆の伝統芸能「エイサー」は、きらびやかな衣装といい、緻密に計算され息の合った踊りといい、最新のエンターテイメントと比べても見ごたえに遜色はない。

 本土と同じ起源を持つ行事・芸能でも、沖縄ではかなり中身が異なっている。たとえば、三月の節句は本土ではひな人形を飾るのが一般的だが、沖縄では浜辺に出て遊ぶ「浜下り」という行事になっている。五月の節句では鯉のぼりを揚げたり、鎧や兜を飾ったりするのが県外では典型だが、沖縄では「ハーリー(糸満では「ハーレー」)」と呼ばれる龍船競漕を行うのが代表格である。

獅子舞といえば、日本全国にさまざまなタイプが受け継がれているが、関東地方では、獅子頭を持った一人の男性が大きな布をかぶって体を隠し、音楽に合わせて波打つように体を揺らしながら、正月に踊る姿が思い浮かぶ。一方、沖縄では獅子舞が演じられるのは秋の豊年祭が多い。しかも、長いふさふさした体毛を全身にまとい、ライオンや犬を思わせるリアルな動物の動きを二人組が演じる。

同じ沖縄の中でもエイサーや獅子舞、綱引きなどは地域ごとの違いが際立つ。本書では、豊富な写真とともに地域の特色や伝統の由来を解説している。また、観光県・沖縄では伝統行事・芸能を気軽に見られる機会は多い。エイサーをはじめ地域のイベントの中で頻繁に上演されるからだ。こうしたイベントの開催・鑑賞情報もふんだんに盛り込んでいる。


 




【本書の注文方法】

本書は、沖縄県内では一般書店で取り扱われています。県外では地方・小出版流通センターを通じ書店でお取り寄せすることができます。

また、沖縄探見社から直接お送りすることもできます。その場合、代金の振り込み代がかかります。

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沖縄で自分史・記念誌をつくる ―読まれるための10のポイント― 戦後沖縄年表付き■

沖縄で自分史・記念誌をつくる表紙A5判、全64ページ

高橋哲朗著 沖縄自分史センター監修

定価648円(本体600円+税)
















【本書の概要】

自分史や記念誌をはじめ、自分で本をつくりたいと考えている人のための入門書。予算の見積もり方法から全体構成、文章技術まで解説。原稿や年表の作成に役立つ「戦後沖縄年表」付き。

自分の体験や考えをほかの人にも知ってもらいたい。調べた地域の歴史を後世に伝えたい。だが、いざ本をつくるとなれば、どれくらいかかるか、どうやって本にまとめたらいいか、など分からないが多く、不安も大きい。

しかし、本づくりは基本さえ踏まえれば、自分の考えや表現を深めるきっかけとなり、人生や地域の歴史を振り返る楽しい時間となる。まずは、「どんな本をつくりたいか」を考える同時に、「どうしたら第三者が読みたくなる内容に仕上がるか」に気を配る。

編集者やライターとしての著者の長年の経験をもとに、四半世紀を超える歴史を持つ沖縄自分史センターのノウハウもちりばめながら、本づくりの基本をやさしく解説する。


【本書の構成】

<ポイント1>出版は先でも準備は早くから

  あやふやな記憶や散逸する資料/尋ねたいときに尋ねたい人はおらず


<ポイント2>本づくりの値段を知る

どんな本をつくるか/ピンからキリまで/およその相場を知る/見本を探す


<ポイント3>何のために本をつくるか

目的は灯台であり座標軸/なぜ本か/魂のありかを探す/地域の歴史・文化を書き残す/店頭販売の道も


<ポイント4>全体の構成を考える

自分史の構成例/本編の構成例/記念誌の注意点 


<ポイント5>共通ルールづくり

ばらばらになりやすい表記例


<ポイント6>文章はなるべく具体的に

書きたい場面を最初に書いてみる/まずはデータを放り込むつもりで/細部を省かない/具体的なエピソードを入れる


<ポイント7>自分自身をインタビュー

さまざまな角度から質問/聞き書きという手段も


<ポイント8>文章を削り重複を避ける

自分の文章を読み返す/長い文章は要注意/なくても分かる言葉は削除/省略したい言葉の実例/同じ言葉の繰り返しに注意/第三者のアドバイスをもらう


<ポイント9>

不和のもとを避ける/家族や友人を巻き込む/立体的な描写を


<ポイント10

本も見た目が大事?/内容を短い言葉で表現/写真や図表も活用



【本書の注文方法】

本書は、沖縄県内では一般書店で取り扱われています。県外では地方・小出版流通センターを通じ書店でお取り寄せすることができます。

また、沖縄探見社から直接お送りすることもできます。その場合、代金の振り込み代がかかります。

・      送料は無料です。当社にて負担します。振り込み代は120円(振り込み金額が3万円未満)となります

・      ご注文をお受け次第、本書と郵便振替用紙をお送りしますので、この振替用紙を使い郵便局で本書の代金をお振り込みください

・      ご注文の際は氏名、住所、電話番号、ご希望の冊数をお忘れなく


小社へのご注文は下記の方法で承っています。本書に関するお問い合わせについても下記の場所へお願いします。

★    電話:090-6856-1575

★    FAX:098-864-1575

★    Eメール:brazilcat@okinawatanken.ecnet.jp(こちらをクリックすればワンタッチでメールを作成)

★    はがき:沖縄探見社
       〒902-0067 沖縄県那覇市安里110-9-405




いかに「基地の島」はつくられたか

いかに「基地の島」はつくられたか表紙A5判、全96 ページ、並製本(カバー付き)、沖縄探見社編

定価1080円(本体価格1000円+税)


【本書の概要】

基地建設が引き起こした沖縄の苦悩と混乱

復興と平和の道を歩む本土との分岐点はどこに


・図やデータを使って分かりやすく解説

終戦から1950年代にかけて、複雑な要因が絡み合い「基地の島」に変っていく沖縄の姿を図やデータを使いながら分かりやすく解説する

 

・基地建設で本土が得たものは

本土で縮小された米軍基地が沖縄では銃剣とブルドーザーによって押し広げられ、本土企業が建設ブームにわいた。「基地の島」は、降り注ぐドルの雨が本土へ流れ日本の復興を後押しするとともに、東アジアで東西両陣営の緊張関係が強まる中、軍備増強を求める米国の圧力を本土からそらす材料になった

 

・住民の視点から沖縄の変貌をとらえる

沖縄戦で財産を失い、基地建設で土地を奪われた沖縄住民。生活の糧を求めて基地で働くが、待っていたのは差別待遇、低賃金、横暴な米国人上司だった

【本書の構成】

序章 海外進出の始まりと結末  第1章 基地建設と復興のはじまり

第2章 沖縄の長期保有へ    第3章 本土企業が大量受注

第4章 武装兵士と強制立ち退き 第5章 本土と沖縄の反基地闘争

第6章 「海兵隊の島」へ    第7章 アメリカの核戦略

第8章 新たな経済政策と土地接収

【本書の注文方法】

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沖縄戦の「狂気」をたどる

沖縄戦の「狂気」をたどる表紙A5判、全96ページ、並製本、沖縄探見社編

定価972円(本体価格900円+税)


















【本書の構成】

住民証言 ―米兵より日本兵が怖かった―

兵士証言 ―僕らは消耗品―

・沖縄戦を特徴づける「地上戦」とは何か

本書では、沖縄県内の各地に残された数々の証言をもとに、敵と味方、兵士と住民、軍国主義と民  主主義など単純な対決構造ではとらえきれない沖縄戦の複雑な様相を読み直していく


・国家間の緊張が高まる今こそ、「狂気」に向き合う

壕の追い出し、食料の略奪、住民のスパイ視や虐殺、兵士の自爆や薬殺、「集団自決」、アメリカ兵の横暴…。追いつめられ、情報の遮断された「戦争」という空間の中で起きた「狂気」を、目撃者や当事者の視点から追体験する。TVゲーム的な戦場イメージを超えて、戦場の実相へと想像力を働かせる


・戦後の沖縄と本土の関係の原点

沖縄戦を通じ、本土と沖縄の関係が浮き彫りにされ、沖縄とアメリカの関係も決定的なものとなっていく

【本書の構成】

第1章 「狂気」の背景   第2章 壕の追い出しや食料の略奪

第3章 スパイ容疑     第4章 投降の阻止

第5章 子供の悲劇     第6章 日本兵に殺される住民

第7章 「集団自決」    第8章 兵士の体当たり攻撃と薬殺

第9章 アメリカ兵の横暴


【本書の注文方法】

本書は、沖縄県内では一般書店で取り扱われています。県外では地方・小出版流通センターを通じ書店でお取り寄せすることができます。

また、沖縄探見社から直接お送りすることもできます。その場合、代金の振り込み代がかかります。

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沖縄・米軍基地データブック

沖縄・米軍基地データブック表紙A5判、全96 ページ、高橋哲朗著

定価972円(本体価格900円+税)

沖縄探見社発行

 














【本書の概要】

日頃から関心を持ってニュースを見たり、新聞・雑誌の関連記事を読んだりする人にとっても、基地問題は分からないことが多く、全体像をつかみにくいのではないだろうか。関連情報は、日々の暮らしから外交・軍事など幅広い分野に及び、理解には専門知識が必要なこともあるからだ。さらに、日本、沖縄、米国の長年にわたる歴史も複雑にからみあう。そうした基地問題を数字と図表もまじえ、やさしくコンパクトにまとめている。


・    基地問題は「普天間」だけじゃない!

航空機騒音、米兵犯罪、事故の危険、環境汚染など基地被害を多面的にやさしく解説


・    豊富なデータで浮かび上がる実態

騒音測定結果がどう変化し、犯罪、秘密主義、事故や火災がいかに繰り返されたかを検証


・    「歴史」を抜きにして真の理解なし

基地問題を真に理解するため、「本土」と沖縄と戦争の関係、基地にゆが

められた経済、沖縄の米軍基地がいかに変化してきたか、など「歴史」に学ぶ


【本書の構成】
 

第1章 沖縄の「負担軽減」は本物か

・    冷戦の終結後、海外の米軍基地は世界的に縮小・整理に向かう中、依然、残る沖縄の米軍基地

・    沖縄に駐留する海兵隊の移転先に指名されたグアム島、その苦難の歴史

 

第2章 減らない航空機騒音

・    日米政府が「負担軽減」に合意後も、改善しない騒音被害。むしろ悪化する地域も

・    司法からは相次ぐ賠償命令と政府の無策に対する批判

 

第3章 米兵犯罪の取り調べに厚い壁

・    繰り返される性犯罪、ひき逃げ事件は捜査が長期化

・    密約「重要な案件以外、日本側は裁判権を放棄する」の疑惑

 

第4章 事故の危険にさらされる住民   

・米国内の安全基準から外れた普天間飛行場

・たび重なる演習火災、住宅地への流れ弾

 

第5章 見えにくい汚染物質

・沖縄でも劣化ウラン弾を使った演習

・放射能漏れ事故の公表も、米国メディアの報道後

 

第6章 米軍基地と沖縄経済

・基地維持に有利な経済政策を採用

・住民を直撃したアメとムチの政策

 

第7章 沖縄における米軍基地小史

・ベトナム戦争の前線基地化、そして沖縄をめぐる「密約」の数々

・世界的にも突出する、日本政府による駐留米軍の費用負担

 

第8章 普天間基地移設問題の経緯

・移設先決定をめぐる複雑な駆け引き
 

【本書の注文方法】


本書は、沖縄県内では一般書店で取り扱われています。県外では地方・小出版流通センターを通じ書店でお取り寄せすることができます。

また、沖縄探見社から直接お送りすることもできます。その場合、代金の振り込み代がかかります。

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沖縄エコツアーガイドブック ■

環境ボランティアを含む沖縄本島編

沖縄エコツアーガイドブック表紙
A5判、沖縄探見社編、全112ページ

定価1,080円(本体価格1,000円+税)

















亜熱帯の自然と人とふれあう時間を求めて

「美しい風景だった」だけで終わらない旅と暮らしを提案


・幅広いインタビューとアンケートを実施!

サンゴ礁、マングローブ、干潟、密林

ユニークで多様な自然に魅せられ

地域に根を張るスペシャリスト39人に聞く

沖縄の魅力、みどころ、歩き方!

 

・沖縄に行く人にも行かない人にもオススメ!

地域に根を張る人との対話を通して、人と自然

のかかわり方の今と未来、そして、現代日本の

得たもの、失ったものが見えてくる。読み物としても楽しめる

 

・地域によって異なる自然の表情!

19の事業者や団体を各市町村データとともに紹介。また、個人旅行から修学旅行まで幅広いツアー情報や、誰でも参加できる環境ボランティア活動情報も掲載 

<構成の一部>

・マングローブの魅力と恩恵を体験   ・表情を変える風景をじっくり味わう

・漂流物が物語る海辺の環境      ・修学旅行、年間8万人余りを受け入れ

・自然を活用し守る先人の知恵に学ぶ  ・水田と野鳥とマングローブの里に学ぶ

・「自然の中におじゃま」の感覚を大切に ・川や池から消えた沖縄在来種

・イノーで沖縄の海の豊かさを体験   ・植え付け事業でサンゴの保全を

・棚田や湿地を組み合わせ水質浄化   ・自然、文化、食が調和した長寿の村



【本書の注文方法】

本書は、沖縄県内では一般書店で取り扱われています。県外では地方・小出版流通センターを通じ書店でお取り寄せすることができます。

また、沖縄探見社から直接お送りすることもできます。その場合、代金の振り込み代がかかります。

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自分史・記念誌入門講座




沖縄探見社では、自分史、記念誌、市町村史など本を出版したい方のお手伝いもしています。これから本づくりを考えている方に、当方の経験や知識を生かしていただきたいと思い、執筆者や編集者としての実体験も織り交ぜながら本編をまとめました。


はじめに 「第三者の目を持つ」




 自分史や記念誌をつくりたいと思うけれど、何からはじめたらいいか見当がつかない。自分史や記念誌に載せたい内容はおおよそ決まっているが、どうやって本の形にしていったらいいか分からない。本をどんな構成にするか、ある程度イメージはあるけれど、これでよいのかどうか今ひとつ自信がない。


本編が目指すのは、このような不安や疑問に答えられるように、自分史や記念誌をつくる基本を身につけることです。基本とは、本の構成や盛り込む内容をおよそ決め、どのような作業を進めるべきか理解することです。基本が身についていれば、たとえ何かの問題で悩んだりつまずいたりしたとしても、どうやって解決したらいいか方向性も見えます。


もちろん、まったく同じ本はなく、すべてがオーダーメイドです。一つひとつ内容が違い、理想とする本は著者によって異なります。そのとおりにつくれば、理想の本にたどりつくというマニュアルはないでしょう。実際に本づくりを進めながら、手探りで自分にとっての最良の方法を見つけ出すしかありません。


一番強調したいのは「第三者の目を持つ」ことです。いくら自分で面白い内容、満足のいく内容にできたと思っても、自分以外の第三者がそう思ってくれなければ意味がありません。内容の良し悪しを判断するのはあくまでも読み手ですから、読み手がどう受け取るか意識しながら本をつくる必要があります。

しかし、自分の作品を第三者の目で見ることは容易でありません。他人の欠点はすぐ気づくのですが、自分の欠点にはなかなか気づきません。自分の行動や考えを、知らず知らずのうちに正当化してしまう傾向があるのでしょう。


自分で見落としやすい過ちや欠点はある程度、予測できます。ふだんから注意することで、だいぶ防げるでしょう。とはいっても、自分の原稿をまったく第三者の視点で見ることは難しいので、実際に第三者、できれば経験を積んだ専門の編集者、それが難しければ文章について知識のある知人・友人に読んでもらい、助言を求めることが望ましいでしょう。


全体の原稿量にもよりきりですが、本づくりは数カ月から数年はかかる作業です。気をつけなければならないポイントだけ確認し、まずは気楽に書き始めましょう。第三者の意見を聞いたり自分で読み直したりしながら、必要とあれば修正すればよいのです。


修正を面倒なことと避けるのではなく、自分の考えや表現を深めるきっかけと思えれば楽しいでしょう。実際、もやもやとして雑念の中に埋まり、おおよその輪郭しか見えなかった自分の考えや表現が、書き進めるうちに浮かび上がってきます。言葉という部品を一つひとつ丁寧に組み合わせていけば、やがて本という作品が顔を表してきます。





<ポイント1>出版は先でも準備は早くから




あやふやな記憶や散逸する資料


 本をいつつくるか。記念誌ならば、創立何十周年という節目の年に出版する場合がほとんどです。一方、自分史については、古稀を迎えた記念など節目の年に出版を計画する人もいますが、あまり節目を意識しない人が多いようです。「自分の人生を振り返ってみたくなった」「知り合いが自分史を出版したのに刺激されて」「子や孫に自分の生き方を伝えたい」、簡単にいえば「その気になった」わけです。


 自分史の適齢期はありません。まず、自分がつくりたいという気持ちになることが大切です。ただし、自分史の編集を手伝う仕事をしていて残念に思うのは、かなり高齢になってから準備にかかる人が目立つことです。


 高齢になってから初めて準備を始めるのでは、昔の資料がどこに行ったか分からず記憶もはっきりしないため、大雑把な記述しかできません。具体的な細かい描写やデータがそろっていれば、読み手を文章に引き込み魅了できるのに思うことはたびたびです。


尋ねたいときに尋ねたい人はいない


 また、いざ出版をしようとしたら、過去の事情を知る人が鬼籍に入っていたり高齢のため記憶が不確かになったりしていて「残念だ」という声もたびたび聞きます。例えば、七十歳を過ぎてから、先祖の歴史について調べようと思ったが、自分よりよく知っている人はほとんどいない。団体の設立から三十年、四十年以上、経過しているため、誰も当時を語れない。そんなことは珍しくありません。


実際に出版の準備にとりかかるのは、その気になり都合のいい時期にするにしても、関係する資料を整理し、記憶の確かなうちにメモに書き止めたり、関係者が元気なうちに話を聞いておいたりして準備は早めにとりかかるべきです。


また、いざ自分史や記念誌にとりかかったとき、思った以上に時間がかかることに驚く人が多いようです。慣れない人にとっては原稿を書くだけでも相当の時間をとられます。せっかく出版するのに、内容に誤りがあれば価値は半減してしまいます。関係者に聞き取りをしたり資料を調べたりする作業も必要になってきます。いずれにせよ、余裕をもって早めにとりかかるに越したことはありません。







<ポイント2>本づくりの値段を知る (前編)


どんな本をつくるか


 お金をかけずに本をつくろうとすれば、チラシの裏に文章を書き、ホッチキスで綴じればよいでしょう。しかし、第三者が読む気になるでしょうか。コンピュータを多用し活字を見慣れた現代人にとって、字の上手い人は別として、一般の人による自筆の長い文章を読むことはあまり快適とはいえません。


 極端な例であり、お金をかければよいというものではありませんが、第三者に読んでもらうためには、ある程度は装丁を整える必要があるでしょう。それに応じてお金がかかります。


 何かに取りかかるとき、まず気にかかるのは「どれくらいお金がかかるか」です。事実、自分史や記念誌の出版を考えて相談に来られる人の多くが、まず「出版するのにいくらかかるか」と質問します。しかし、相談を受ける側としては、ただ「いくらか」という質問に対しては即答できません。


 たとえば自動車を買う場合、自動車の販売店に行っていきなり「自動車はいくらくらいする?」と尋ねる人はまずいないでしょう。自動車は新車か、中古かによって値段にかなり幅があります。しかも、軽自動車、普通自動車、スポーツカーなど車種によっても大きく異なり、独身向けか家族向けか、自家用や業務用かによってもお勧めの車は違ってきます。


 ですから、万一そんな質問をする人がいたとしても、販売店側の人は「○○万円くらいです」とは答えず、「どのようなタイプの車をお探しですか」と逆に聞き返すでしょう。本についてもまったく同じです。




ピンからキリまで


 コンピュータに原稿を打ち込んでプリントアウトし、それをコピーして綴じるだけならば、1万円もかからず製作できます。表紙だけは印刷してコピーし印刷会社で綴じてもらえば、本らしい本になります。この場合でも予算は数万円程度ですみます(本のページ数や部数によって予算は大きく違ってきます。部数が多くなると、コピーよりも印刷の方が割安になります)。


 一方、専門家に執筆を頼み、カラーページをふんだんに取り入れ、布の表紙に金箔で題字を付け、ケースに入れて豪華な装丁にすれば、高級車並みの予算になることもあります。


 つまり、本の出版といってもピンからキリまであるので、まずは「どのような本をつくりたいか」をはっきりさせることが重要です。特に、印刷会社や出版社に印刷を頼み出版する場合はそうです。予算の見積もりを出してもらうためには、どのような本をつくりたいか、決めておく必要があります。








【文章や本の制作のことは何でも沖縄探見社にご相談を】




 ―執筆から編集まで経験豊かなプロがお手伝い―

 あなたが長年培ってきた経験や知識は貴重な財産です。本にまとめることは、そうした財産を次の世代に遺すことであり、あなたの人生をもう一度見つめ直すことになります。伝える喜びが湧き出し、多くのものを得るでしょう。しかし、本にしたいと思ってもなかなか実行に移せません。次のような原因が考えられます。

 ○書きたいことはあるけれど、どう書いたらよいか分からない
 ○本のアイディアはあるけれど、どう形にしたらよいか分からない
 ○原稿をまとめたけれど、そのまま本にする自信がない
 ○同僚や友人らと記念誌づくりを進めているが、うまく話がまとまらない


 こんな方のために当社は、原稿の執筆から実際の本の出版までお手伝いします。

<代表・高橋哲朗プロフィール>




1961年、埼玉県生まれ。全国紙の記者を経験した後、ブラジル、オーストラリア、アメリカで記者、編集者活動。沖縄移住後はフリーランスのライター、編集者を務めながら、2009年に出版社の沖縄探見社を設立。









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