沖縄を深く知るためのガイドブック
編集・出版の沖縄探見社

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代表の高橋哲朗は最近、オンライン書店「沖本屋」を開店しました。アドレスはhttp://okihon.comなので、こちらもご覧ください。


最新トピック


台風17号の接近と災害大国日本の未来 <沖縄の自然と食

 台風17号の影響で9月21日、那覇市は強い風雨に見舞われた。テレビ報道によれば、午前4時ごろ瞬間最大風速40メートルを超える風を観測したという。今年、沖縄では台風の接近が4回目と多い。加えて、個人的な印象だが、台風通過後も風雨の影響が長く続く傾向がある気がする。台風一過の爽やかさを感じることがない。

 今月千葉県に台風15号が上陸し長期の停電を強いられているように、毎年日本のどこかで都市機能を麻痺させる大型の自然災害が起きている。台風や豪雨による災害はある程度、規模や地域が予測できるのだから、災害の可能性が出た時点で、被害を予想し物資や人員の手配を準備できるはず。ニュースで見聞きするだけだが、行政の災害対応はかなり遅いように思える。

 千葉県における停電の長期化も、人災の面は否定できないはずだが、これから原因追及が行われるのだろうか。我が国では戦争から事件・事故まで責任を曖昧にする風土があるような気がしてならない。2011年の福島第一原発の事故をめぐり、東京電力の旧経営陣の責任を問う裁判で9月19日、東京地裁は旧経営陣3人全員に無罪判決を言い渡した。多くの避難者と犠牲者を生み、今も大量の汚染水が流れ出し、今後何十年かかるか分からない廃炉作業や汚染物質の処理で悩まし続ける事故に対して、「自然災害」と誰も責任をとらないことになる。










批判のない内閣改造報道 <代表の編集雑記帳

 9月11日に第4次安倍内閣が発足したが、内閣改造をめぐる報道で焦点が当てられたのは、小泉進次郎氏が環境相になったとか、有名ダンサーの友人が初入閣したとか、雑談の小ネタにはなっても国民生活にはどうでもいい話題ばかりである。

かつては、短期で交代するため、大臣といっても官僚の言いなりでしかないとか、頻繁に行われる内閣改造をメディアがよく批判したが、今回はそんな批判の気配もない。「加計問題」も一時期はかなり取り上げられたが、あの時疑惑の渦中に置かれた人物が文科相に就任したにもかかわらず、今回はほとんど触れられない。

沖縄担当相の引き継ぎで、新旧大臣の間で「沖縄との間に感情的なもつれがある」という発言があった。沖縄のメディアでは取り上げられたが、大手メディアは焦点を当てただろうか。会見でこの発言の意味を問われた衛藤晟一・新沖縄相は「(国も県も)沖縄振興、基地負担軽減(という一つの方向)に向いているのに、なかなか歯車がかみあわない」と説明したという。

沖縄戦では本土防衛のための捨て石にされ、戦後は本土の独立と引き換えに、本土より20年長い米軍支配下に置かれ、本土復帰後も40年以上、米軍基地が集中する状況が続いてきたのに、米軍普天間基地の移転先が県内の名護市辺野古になれば、永遠に米軍基地集中が続くことになりかねず反対している。政府には政府の見方があるだろうが、こうした沖縄の考えが「感情的なもつれ」だろうか。国と県の間に横たわる、断層の深さを思わずにはいられない。

 














なぜ今、戦時の性暴力か <沖縄探見社の本

 前週の台風24号に続いて、今週も台風25号の強烈な風雨に襲われ、10月4日は、部屋に一日じゅう缶詰の日となった。何で凄まじい自然の脅威がこうも続くのかと思った。だが、2日後の6日は、晴れあがり爽やかな微風が心地よい。9月までのうだるような暑さは跡形もない。新都心公園付近を歩くと、台風が巻き上げた海水を浴びたせいだろう、街路樹の多くが葉を落とし、草原が黄色く染まり秋の訪れを告げているようだ。

 ノーベル平和賞は5日、日本のメディアが予想していた韓国の文大統領や米国のトランプ大統領でなく、戦時の性暴力問題を訴えてきた医師と女性活動家に授与されることが発表された。今年は、派手なパフォーマンスを繰り広げる政治家よりも、地道に現場で活動を続ける在野の人々に焦点を当てたのだろう。しかも、戦時の性暴力という難しいテーマを取り上げたことは興味深い。

 今回の受賞者が活動する地域はアフリカと中東であり、日本から遠い地域だが、日本とは無関係とは言えない。戦時の性暴力は、「慰安婦」問題として近隣諸国との間で現在に至るまで摩擦を生み、特に韓国とは友好関係を築く上で大きな障害になっている。米国サンフランシスコ市が市民団体から慰安婦像と碑文の寄贈を受けたことをめぐっては、10月2日に大阪市が同市との姉妹都市解消を発表し、同市長側はこれを非難する声明を出すなど、他の国々にも波及している。

 また、沖縄では、戦時に準じるような性暴力を受けてきた重い歴史がある。その具体的な内容は弊社発刊の『沖縄の基地と性暴力』で記している。性はもともと表だって口にしにくいテーマであるせいもあり、個人の嗜好や人格の問題に押し込めがちだった。しかし、戦争や軍隊という文脈で読み直すと、強烈な憎しみや差別意識が背景に浮かび上ってくる。憎しみや差別意識は、軍隊が戦い、占領する上で推進力になると同時に、戦いや占領が生む産物にもなる。性暴力と真正面から向き合うことを避け続けた現代の日本において、憎しみや差別意識が姿を現わしつつあることは偶然ではないだろう。




 



「国会議員になった『隠れキリシタン』」 沖縄探見社の本

禁教時代を耐え抜いた信徒たちの「それから」

 

 今年7月、「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」が世界遺産に登録され注目を集めているが、江戸時代にキリスト教徒が潜伏したのは長崎や天草地方だけではない。本書「国会議員になった『隠れキリシタン』 ―時代に翻弄された日系二世の肖像―」で紹介する福岡県大刀洗町の今村は、潜伏していたキリスト教徒の多くが明治以降、ブラジルへ移住したというダイナミックな歴史を持つ。

 ブラジルに移住した今村出身者から生まれた日系二世が、本書で焦点を当てる平田進である。彼は青年期を迎えた太平洋戦争前後、ブラジルと日本が敵対関係にある中、2つの国にルーツを持つ二世としてアイデンティティのありかに悩む。戦中を日本で過ごし、戦後はブラジルに戻って政界に進出し国会議員になり、両国の橋渡し役を務める。平田進を通して、宗教の自由が認められたはずの近代日本で、隠れキリシタンの末裔たちがたどった運命、彼らの「それから」を追ったのが本書である。

 





【本書のタイトル】

国会議員になった『隠れキリシタン』 

―時代に翻弄された日系二世の肖像―

 

【本書の概要】

 ・大きさ:B5判  ・総ページ数:192  ・発行:沖縄探見社

 ・著者:高橋哲朗  ・定価:本体価格1400円+税

 

【本書の構成】

 第1章 福岡県大刀洗町(今村)

 第2章 開拓地に教会を

 第3章 ブラジルに日系人学校を設立

 第4章 二つのナショナリズム

 第5章 戦争協力アナウンサー

 第6章 検閲の時代と日系二世

 第7章 ブラジルで「異分子」から再出発

 第8章 大臣からテロリストまで

 第9章 「ブラジルブーム」の陰で

 

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沖縄の基地と性暴力沖縄探見社の本

民家に押し入り女性の拉致も

戦中から現在まで続く悲劇の数々

A5判 全96ページ 定価1000円+税  沖縄探見社編・刊


基地に絡んで沖縄で繰り広げられた膨大な性暴力の歴史を振り返る本書の概要は次のとおり。

   目を覆いたくなる膨大な残虐事例

太平洋戦争に始まり、米軍統治下を経て、本土復帰後の現在に至るまで絶えることのない、性暴力の数々を紹介する。驚かされるのは件数の多さだけでない。屈強な男たちが大人数で暴行、武器を手に女性宅に侵入、抵抗する女性をメッタ突きなど、凄惨な事件が繰り返される。


  
戦争があおる性暴力の構造を分析

住民の意志とは無関係に、直接、間接に「戦争」に巻き込まれ続けた沖縄。増幅され巨大化した憎悪と差別意識は、飢えた野獣のように社会の最も弱い部分を探し出し徹底的に攻撃する。この構造は、沖縄の支配者が旧日本軍から米軍に転じても変わらなかった。

   犯罪を助長する風潮や法制度

沖縄が本土に復帰した後も、法の下の平等、人権の尊重、情報公開といった民主主義の基本原則よりも、米軍基地を優先させる法制度や風潮が犯罪を助長してきた事実は否定できない。殺人容疑で逮捕された米軍属は「逮捕されることは心配しなかった」と語った。



<関連記事>

なぜ今、戦時の性暴力か

(お試し読み! 本書を一部抜粋した内容を、こちらをクリックすれば見られます


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ヘリ事故の連続と沖縄差別 <沖縄探検社の本

 1月6日、米軍ヘリが伊計島に不時着した。1つひとつの事故だけに焦点あてれば、単なる「事故」にすぎない。しかし、伊計島への不時着は昨年1月にも発生し、昨年10月に東村でヘリ炎上事故が起き、前月13日には宜野湾市の小学校がヘリの窓落下という事故に見舞われている。事故を1つの流れの中でとらえ、本土でこれだけ連続するだろうか、本土で米軍が同じような対応するだろうかと考えるとき、「沖縄では仕方ない」「沖縄ではこの程度のことは構わない」という差別意識が働いているのではないかという重い疑問がわく。

 米兵による性暴力についても同じことがいえるだろう。弊社発刊の『沖縄の基地と性暴力』は、米軍統治時代に満ちていた差別意識を指摘している。それは単なる推測ではなく、あからさまなものであった。米軍の直接統治がなくなっても、米軍は日本の法律の及ばないところにあり、現在はそうした差別意識が消えたといえるだろうか。

『沖縄の基地と性暴力』は米軍統治時代の差別構造を次のように説明している。「日本兵による中国人女性への性暴力を描いた第1章を思い出してもらいたい(このホームページの「沖縄探見社の本」のコーナーで、『沖縄の基地と性暴力』の一部抜粋のうち「沖縄守備軍は中国で何をしたか」を参照)。小さな頃から中国人を蔑視すると同時に、「優越民族」日本人による世直しとして旧日本軍の中国大陸への侵攻を正当化してきた。実際に兵士となって、中国軍と戦火を交えるうちに中国人への憎悪と差別意識はさらに増幅し、女性への性暴力さえ罪の意識を失う。

 米兵による沖縄女性への性暴力も、日本兵を米兵に、中国人女性を沖縄女性に置き換えれば同じ構図でみられる。「ファシズム国家」「貧しく野蛮な未開国家」日本は、「民主国家」「豊かな文明国」米国によって打ち負かされ治められるべき存在とみなす。日本軍との戦闘によって被害が出れば、さらに日本への憎悪と差別意識が膨らんだ」

「例えば賃金では、米軍統治下の沖縄の人々は、本土の日本人や外国人との間には、意識的に大きな差をつけられた。沖縄タイムス1952(昭和27)年6月14日付によれば、本土企業の幹部は、同じ職種でも賃金格差があることを次のように認めている。『トラックドライバー等の普通労務者賃金(時給)は(中略)B円に換算すると2331銭から20円となり琉球労務者のトラックドライバー17円、軽トラックドライバー11円に比較しても大きな差がある。社として優秀な労務者に対して日本人労務者並の賃金を支給したいが、布令によって労務賃金が規定されているので、どうにもならない』。

1956(昭和31)年5月には、労働組合の国際組織である国際自由労連の調査団が訪れ、沖縄の労働条件などについて調査した。それによれば、次のように「人種差別賃金」が行われていると批判した。

国際自由労連が指摘した賃金格差

国籍     最高時給 最低時給

米国人    6.52ドル 1.20ドル

フィリピン人 3.77ドル 0.52ドル

日本人    1.03ドル 0.83ドル

沖縄人    0.36ドル 0.10ドル    

 差別は賃金だけでなく、労働条件や職場環境にも及んだ。1952(昭和27)年には、本土の土建工事会社である松村組、アメリカ人請負業者のVC、軍関係の機械修理工場KOTの3社で社会の注目を集める労働争議が発生した。いずれも、きっかけは突然の解雇だった。労働者の証言によれば、KOTで会社側の代表者と労働者たちが交渉していたところ、空軍警察官10人ほどが現れて労働者たちを警察本部へ連行、なぐったり壁に向かって立たせたりした後、解雇に同意させたという。3社いずれのケースも、労働者はストライキに踏み切ったり解雇撤回や退職金の支給を行政へ訴えたりしたが、要求はほとんど認められることなく争議は自然消滅に向かった」

「沖縄と同じように連合国の占領下にあったにもかかわらず、日本本土では1946(昭和21年)から1947(昭和22)年にかけて、労働者の基本的な権利を定めた労働三法(労働組合法、労働関係調整法、労働基準法)が相次いで施行された。一方、沖縄で労働三法が成立するのは1953(昭和28)年7月(施行は同年10月)である。しかも、米軍はあらかじめ布令を発して、軍雇用員をこの労働三法の適用範囲から除外した。

差別待遇を感じるのは賃金や解雇手続きだけではなかった。軍関連の職場に1951(昭和26)年就職した元衆議院議員の上原康助氏は著書『基地沖縄の苦闘―全軍労闘争史』で次のように語っている。『50年代前半までは沖縄人を人間扱いせず、まるで虫けら同然だった。沖縄人とも呼ばず、琉球人、またはローカルネイティヴ(地方人または土人)という呼称を意識的に使い、お前らは日本人ではないのだ、という態度で徹底した差別政策を押しつけた。便所も、米人専用(注・本土からきた日本人も使用)と沖縄人用を区別した。むろん、米人専用は設備も立派であった』。コーヒーショップや簡易食堂があっても、沖縄の人々は利用できなったという」








すさまじい終戦直後の米兵性犯罪 <沖縄探見社の本

1117日から、うるま市在住の女性(当時20歳)を暴行殺害したなどとして、強姦致死、殺人、死体遺棄の罪に問われている元米海兵隊員で軍属だった男(33歳)の裁判が那覇地裁で開かれているが、終戦直後の米兵による性犯罪のすさまじさは顧みられることは少ない。この状況をみれば、米軍関係者による性犯罪に注目する報道に疑問を投げかけ「性犯罪は日本人でも起こす。たまたま米軍関係者だっただけ」という言葉は出てこないだろう。弊社発刊の『沖縄の基地と性暴力』は次のように説明している。 

「沖縄女性が狙われるのは外出する時だけではない。戦後まもない時期、夜中に米兵が集団で押しかけ女性を拉致する事件も頻発した。あらかじめ女性がいる家に目星をつけておいたようだ。家族が助けようと抵抗すれば、米兵は銃を持っていて発砲も躊躇しない。まさに強盗団の振る舞いである。女性は自宅にいても心休まらない時代であった。

本部町の男性(当時55歳)による証言である。

 「私の家の近所に照屋松助という頑丈な男がいた(中略)そこに突然銃を持った2人の米兵が現われ、妻子に乱暴しようとした。たまりかねた彼は起き上がって来て米兵の前に立ちはだかり、『私も海軍にいたことがあるが、君たちのように非道なことをしたことはない、さっさと帰りたまえ』とどなりつけた。言葉は通じなかったものの、その場は何事もなくおさまり、米兵らはいったん引き上げたかに見えた。ところが、間もなく米兵らが戻って来て、彼を叩き起こし、銃をつきつけて前へ歩くように命じ、前の原っぱに連れ出していきなり射殺したのであった。(中略)

昼のうちにそこらを徘徊していた数人の黒人兵は、家の中に何人かの女性がいるのを見ていたのであろう。その晩おそく、黒人兵らが突然その家の中に踏み込んで来た。大声をあげて逃げまどう婦人たちを追いかけ、1人ずつわし掴みにして闇に消えた。相手は銃を持つケモノたちである。その場に居合わせた男たちには、どうすることもできなかった」『沖縄県史10 沖縄戦記録2』(国書刊行会 1974年)

このほか、次のような具体例がある。

 ・1946(昭和21)年4月7日、首里市(現在の那覇市)の自宅で夕食後、28歳の女性は夫と雑談していたが、3人の米兵が侵入、夫を押さえ込み強姦される

 ・同年6月13日深夜、小禄村(現在の那覇市)の男性宅に米兵2人が侵入。男性が大声をあげると、米兵は逃走しながら拳銃を発射、屋内で寝ていた2人の女性がけがを負う

 ・同年6月22日午前零時半ごろ、小禄村の自宅で46歳の女性が寝ていたところ、米兵(黒人)3人が侵入、拳銃で脅迫して軍部隊の兵舎へ拉致される。同日午前4時ごろには、大里村(現在の南城市)の自宅で19歳の女性が寝ていたところ、雨戸をこじ開け侵入してきた米兵(白人)3人に拉致される

 ・同年8月18日、首里市の男性宅へ米兵3人が侵入。男性が妻や近所の女性をかばって抵抗すると、米兵の1人から切りつけられ頭にけがを負う

 ・1947(昭和22)年9月22日、27歳の女性が大里村の自宅で寝ていたところ、トラックで乗りつけた4人の米兵が侵入、女性を連れ去る

 ・同年10月1日、28歳の女性が越来村(現在の沖縄市)の自宅で寝ていたところ、米兵が侵入して女性を取り押さえた後、畑の中に連れ込んで強姦し拳銃で頭部をたたき殺す」

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路地裏からの沖縄旅

首里城周辺> <那覇市中心街・市場周辺

沖縄本島南部> <沖縄本島中部

沖縄本島北部> <沖縄の離島

沖縄の信仰・宗教





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路地裏からの沖縄旅 ニューピックアップ

動きだした仮設市場 

 6月中旬から建て替え工事に入った牧志公設市場の仮設店舗が7月、にぎわい広場でオープンした。もとの公設市場から西へ数十メートルほど行ったところの場所にあるが、やはり建物が変わると施設の印象もがらりと変わる。道の駅の特産品売り場という雰囲気である。新品のプレハブ施設だから仕方ないだろうが、ずいぶん軽くなった印象はぬぐえない。オープンしてから一度しか行っていないから断定はできないが、仮設店舗の中や周辺はもちろん、もとの公設市場が面していた市場中央通りも、以前と比べると人通りが少ない気がする。市場界隈のトータルな街づくりが期待されるところだ。















琉球王国の道を復元
 

 

 今年、女官たちが取り仕切った首里城の裏世界「御内原」地域が復元、オープン、県内外のメディアに紹介され話題になったが、ほかにも今年復元されたエリアがある。守礼門から首里城の入り口・歓会門の間に設けられた真珠道の門である。那覇港まで約10キロをつないだ道「真珠道(まだまみち)」の首里城側の起点にあたる。

門の周りに説明板のようなものはないが、「真珠道」は長い歴史を誇る。倭寇が現れた場合、素早く那覇の港へ首里の軍勢を派遣するのを一番の目的として、16世紀ごろ石畳道が整備されたといわれる。現在、石畳道を目にできるのは「金城町の石畳道」とよばれる240メートルほど。戦災の影響が大きいだろうが、貴重な文化遺産として認識されず戦後の開発によって失われた面もあったようだ。石の建造物は時間を経れば経るほど、その重みが外観に宿る。石畳道は人の往来によって丸みを帯びた石が並び味わい深い。首里周辺には、ほかには石の壁をめぐらす井戸がいくつもある。

















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路地裏からの沖縄旅 地域別



首里城周辺

 ・琉球王国の道を復元

 ・首里城の御内原地区が新規開園

 ・首里城の大奥で自由と権力を考える

 ・首里城からの夕日

 ・玉陵で感じる死者との距離

 ・船がさかのぼった松川地区 

 ・感謝の気持ちを忘れない沖縄 ~松と水に恵まれた松川地区~

 ・心なごむ首里の路地裏

 ・首里城で感じる歴史の感触

 ・首里城に琉球独自の漆塗り技法

 ・首里城城郭の曲線美を味わう

 ・首里城から最高の展望

 ・仏教と琉球王国

 戦争の記憶をとどめる首里城のアカギ

 ・ツワブキと首里城

 ・首里城の祈りを再現

 ・多くの聖地を抱える首里城

 ・首里城の未公開区域を歩く

 ・首里城の時間感覚 

 ・美しいアーチの石橋

 ・ライトアップされた首里城

 ・「座る」文化からみた首里城

 ・首里城が放つ空気感

 ・首里城と龍の関係を考える

 ・沖縄戦で使われた糸数壕とスパイ容疑

 ・削除された「慰安婦」「住民虐殺

 ・首里城に残る日本軍司令部壕跡

 ・スフィンクス的なシーサーと筋肉質のシーサー

 ・「首里城」の読み方と目的

 ・首里金城町の共同井戸

 


那覇市中心街・市場周辺

 ・動きだした仮設市場

 ・首里への坂を上るチンチン電車

 ・沖縄・軽便鉄道の残像
 
 ・那覇の牧志公設市場が閉館へ

 仲島の大石と高層ビル

 ・路地裏に横たわる沖縄の墓

 ・変わる那覇市・市場周辺の風景

 ・空き店舗が目立つ市場界隈

 ・浮島時代の那覇を思い浮かべ

 ・どう変わるか、農連市場周辺

 ・海洋国家・琉球王国の残影

 変わりゆく那覇のスピード

 ・沖縄のチャイナタウン

 ・沖縄の風景となった花ブロック

 ・那覇市の中心に古墳群

 ・那覇市は「国際」ブームの先駆け?

 ・浮島・那覇の変遷をみる

 ・天ぷらと那覇の変わりゆく風景

 ・浮島・那覇の名残

 ・那覇市にたたずむ塩田跡の碑

 


沖縄本島南部

 ・海に目を向けた琉球王国

 ・中城湾を臨む坂道に歴史の名残

 ・八重瀬町の琉球古民家

 ・巨岩と亜熱帯樹が絡み合う斎場御嶽

 ・斎場御嶽にたてこもった敗残兵たち

 ・南風原陸軍病院壕の惨状


沖縄本島中部

 ・普天間の過去と今がみえる嘉数高台

 ・浦添グスク跡に首里の原型を見る

 ・勝連城からの絶景

 ・荒波打ち寄せる岬の灯台 

 ・海中道路の複雑な風景と歴史

 ・浜比嘉島のエイサーと路地裏


沖縄本島北部

 ・国頭村のリゾート地区・鏡地

 ・豊かな実りと奥間集落

 ・味わい深い与那の集落

 ・神秘の空気漂う塩屋湾

 ・下から見上げた瀬底大橋

 海上を走る感覚の古宇利大橋

 ・奥行きを感じさせる羽地内海

 ・離島や本島北部に残るフクギと石垣の風景

 ・買い物弱者を支える共同売店


沖縄の離島

 ・闇夜に浮かぶフクギ並木

 ・高台から眺めた渡名喜島

 ・沖縄で一番高い城跡は? 久米島の宇江城城跡とは?

 ・2つの具志川城跡の物語

 ・魚の群れを眺める阿嘉島の北浜ビーチ

 ・慎ましやかな離島の灯台

 ・白保のサンゴ礁 魚湧く海

 ・竹富島の家並み 無駄を削ぎ落とした美 

 ・竹富島の夕日 移ろいゆく海と陸と雲

 ・渡嘉敷島の渡嘉志久ビーチ

 ・平久保埼灯台 絶妙なコントラスト

 ・久米島東海岸 おだやかな遠浅の海


沖縄の信仰・宗教

 ・沖縄の土帝君信仰

 ・沖縄の霊石信仰

 ・沖縄の蔵骨器と龕 


 
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沖縄探見社の本

『データで読む沖縄の自然環境』

50年で大きく変貌したサンゴ礁

希少種を追いつめる新たな天敵

・今脚光を浴びる沖縄の自然

沖縄県内では、国際的に重要な湿地として5カ所がラムサール条約登録地。国立公園も「西表石垣」「慶良間諸島」に加えて、新たに「やんばる」(沖縄本島北部)が指定される見通し。世界自然遺産登録をめざした動きが活発化する。

・何が沖縄の自然をむしばむか

 一方、現状を見渡すと、沿岸部の開発や埋め立て工事、赤土の流入、外来種の侵入、地球温暖化、さらに米軍基地がまき散らす有害物質など希少な動植物や国内随一のサンゴ礁への脅威は大きい。 

・図表も使って分かりやすい解説

 やんばる(本島北部)の森からマングローブ林やサンゴ礁まで、沖縄の自然を網羅するデータを図表とともに使ってやさしい説明。専門性の高い内容についてはコンパクトで分かりやすい解説や背景説明を加えている。


さらに詳しい情報や購入方法はこちらをクリック

A5判 全112ページ 高橋哲朗著

定価1000+税 沖縄探見社発刊

 


 

データで読む沖縄の基地負担

沖縄における枯れ葉剤の投棄・散布疑惑

毎月のように起きる航空部品・備品の落下紛失

事故が続くオスプレイの恐怖


 


沖縄の基地問題をめぐって、日々伝えられる情報やデータは断片的で、時として専門的な用語をはらんでおり、分かりにくいことが多い。そこで、分野ごとに関連する情報やデータを結びつけ時間軸に沿って並べ替えるとともに、やさしい説明を入れ解きほぐすことによって、基地負担の全体像がみえてくる。近年起こった基地問題に関するデータを網羅。



A5判 全128ページ 沖縄探見社編

定価1100+税 沖縄探見社発刊


基地問題は「普天間」だけじゃない

 航空機騒音、米兵犯罪、事故の危険、環境汚染、さらにベトナム戦争時代の「遺産」枯れ葉剤問題も終っていない! 豊富なデータで浮かび上がる実態

 新たな基地負担を問う

 隠蔽と不信の連鎖が渦巻く中でオスプレイを配備。「アメとムチ」で普天間基地の辺野古移設が強引に進められる。負担軽減と呼べるのか

基地をめぐる「歴史認識」

 沖縄の基地問題を真に理解するためには、本土防衛の「防波堤」となった沖縄戦や、本土の反基地運動を緩和するために実施された海兵隊の沖縄移転を踏まえる必要がある

(続き、詳しい解説や購入方法はこちらをクリック)









天才・岡本太郎を驚嘆させた民俗芸能を味わう!

「沖縄の伝統行事・芸能を歩く」






A5判、全128ページ、並製本、高橋哲朗著


本体価格1,100円+税












・沖縄の多様でユニークな行事・芸能を紹介

 天才・岡本太郎を「こんな小さな島の中に、どうしてあんなに数多く、豊かに残っているのか」(『沖縄文化論 忘れられた日本』より)と驚嘆させた民俗芸能を、沖縄に今も息づく旧暦文化に沿って紹介する 

・写真を多用し地域ごとの特色や伝統の由来を解説

 同じ季節の節目でも沖縄では本土とまったく異なる行事が行われる。また、沖縄の中でもエイサーや獅子舞、綱引きなどは地域ごとの違いが際立つ。豊富な写真とともに地域の特色や伝統の由来を解説する 

・自分の目と耳で堪能する! 開催・鑑賞情報も掲載

 観光県・沖縄では伝統行事・芸能を気軽に見られる機会は多い。エイサーをはじめ地域のイベントの中で頻繁に上演されるからだ。こうしたイベントの開催・鑑賞情報もふんだんに盛り込んでいる。 

続きはこちらをクリック






<そのほかの既刊本>

詳しい解説を読むには、各書のタイトルをクリックしてください


                 
     (沖縄戦の「狂気」をたどる) (沖縄・米軍基地データブック) (いかに「基地の島」はつくられたか

                          
          (沖縄で自分史・記念誌をつくる) (国会議員になった「隠れキリシタン」) (沖縄エコツアーガイドブック





(沖縄探見社の本について詳しい解説や注文方法についてはこちらをクリック)




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島暮らしジャーナル 


基地を読む

米軍ヘリ窓落下も他人事 

  米軍普天間基地所属のCH53E大型輸送ヘリが8月27日、沖縄本島東海岸沖で重さ約1キロの窓を落下させたが、地元紙によれば、日本政府は、被害がないことを理由に米軍に飛行自粛を求めない方針だそうだ。県や関係自治体への連絡は発生から2日後という、相変わらずのスローペースだったにもかかわらず、政府は本気で怒っている気配がない。CH53E2017年にも、普天間第二小学校に窓を落下させている。

窓の落下のような事故は、被害を招く場所では起こさず、被害を招かない場所だから起こすという調整がきくものでない。たまたま被害が起きなかったことは明らかだ。2018年1月、内閣府副大臣が衆議院本会議中、普天間基地所属の米軍ヘリの不時着をめぐる質問中、「それで何人死んだんだ」とヤジを飛ばして辞職したが、政府全体の認識は似たようなものだと改めて感じた。遠い沖縄で起きたことなんて、まったく他人事であり、死傷者の出ていない事故であまり騒ぐなとでも言いたげ。国民を守るためでなく米軍を守るための政府と思いたくなる。












空母の夢と沖縄 




 5月下旬のトランプ米大統領の訪日は、他国から羨まれるほどの日米の親密ぶりをみせつけたとして、日本国内ではおおむね好意的に受け止めているようである。トランプ大統領がそのような行動をとった理由は、安倍首相との友情や日本びいき、など感情的なものに求められるのだろうか。

 自国や軍の利益を冷酷に追求する米軍に、戦後ずっと間近に対峙してきた沖縄からみる(沖縄と米軍基地の関係は、弊社から発刊された『データで読む沖縄の基地負担』や『沖縄の基地と性暴力』で詳しく説明されている)と、今回の訪日の目的は軍事協力関係の強化が大きいような気がしてならない。「協力関係」といえば聞こえはよいが、もともと力関係では圧倒的に米国が強い上、「寄らば大樹の陰」「長いものにまかれる」のムードが濃く、忖度が好まれる現政権のもとでは米軍に自衛隊が飲み込まれかねない危うさを秘める。

 これを象徴するのが、28日に安倍首相とトランプ大統領がそろって護衛艦「かが」に搭乗したことである。「かが」を改修しF-35が離発着できるようにする計画が明らかになっている。ただ、実質的な空母化については、専守防衛の日本に空母か必要なのか、ミサイル技術が高度に発達した現代において、空母の保持は防衛力の強化のために合理的な選択なのか、などさまざまな面から異論がある。

 そうした中で両首脳が搭乗したことには、背景に両国の強い思惑があったと考えるのが自然だろう。日本側は一部保守層を中心に、軍事力で他国を威圧するため、軍事強国の象徴である空母を保有したいという願望が根強い。一方、トランプ大統領の言動をビジネスマンの視点から冷静にみれば、空母はF-35を始めとした最新高額兵器を日本へ売る格好の契機になる上、そうした最新高額兵器で装備した自衛隊に、米軍の役割の一部を負わせるという狙いが浮かび上がる。

写真左は沖縄の米軍施設ホワイトビーチに寄港する護衛艦「いずも」。「かが」とは同型艦。写真右は横須賀港に停泊する護衛艦「ひゅうが」。
















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伝統芸能・行事

混雑する街中エイサー 沖縄の伝統芸能・行事

 

 旧盆最終日・ウークイの夜、沖縄市の諸見百軒通りを訪れた。通りは500メートルほどの長さで、幅は車がようやくすれ違える程度しかないが、ウークイの夜には次から次へと各青年会が現れ、エイサーを披露することで知られる。

 午後10時半過ぎ、着いたときには、すでにエイサーの演舞が始まっていて、道の両側には見物客が行き交う。所々に飲み屋があり、店の前にテーブルや椅子を置いたり、店の戸を開けっ放しにしたりしてお客は飲みながらエイサーを楽しむ。数年前に来たときに比べ、混雑が早いような気がする。

こうした街中でのエイサーの魅力は、手を伸ばせば届くような距離で見られること。踊り手の手足や太鼓が観客にぶつかりそうなスリル感があり、観客どうしも重なり合うように取り囲み、会場の一体感が強い。大太鼓の音は腹や頭に響くような感覚があり、踊り手たちの意気込みも肌で感じられる。

一方、百軒通りに近い国道330号の両側には車がぎっしり駐車され、片側2車線の道路は実質的に1車線しかなく渋滞ぎみ。イベント施設ではないので、公衆トイレがないため、近くのコンビニで用を足そうと、室内に数メートルの列ができていた。地域に密着したエイサーはぜひ続けてほしいが、大きなトラブルが起きかねない予感もあり、何かしらのルールづくりが必要に思えた。














エイサーの伝統と創作 

 

 「一万人のエイサー踊り隊」(8月4日開催)をのぞいてみた。エイサーらしいエイサーをみるのは今年初めてであり、定番の沖縄民謡を聞くと、もうそれだけで旧盆が近いという気分になる。今年の「踊り隊」は「伝統VS創作」を前面に出しているが、使う音楽を別にすれば、それほど違いが際立つものだろうかと思う。創作といっても、まったく伝統エイサーからかけ離れたものは見当たらい。また、伝統エイサーといっても、戦後のエンターテインメント化からまったく無縁なものは一部だろう。個人的な好みかもしれないが、多様であることにエイサーの面白みがあり、イベントで披露する場合、伝統の土台の上に、創作の味付けをするという方向に進まざるを得ないのだろう。











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■自然と食■


例年と違う沖縄の気候 


 台風9号が8月9日、沖縄近海から過ぎ去ったにもかかわらず、翌10日も断続的に雨が降り続く。じとじととした天候であり、「台風一過」の爽やかさはない。3週間前に沖縄近海に現れた台風5号とまったく同じ。

そうした気候が影響しているのか、那覇市の花木であり街路樹として広く市内に植えられているホウオウボクも、例年と違うリズムを刻む。いつもなら4月から6月にかけて開花するが、安里地区から新都心地区へ向かう坂のホウオウボクは6月ごろまではほとんど花が見られず、8月に入って花をつけたものが目立ち始めた。

 台風9号の次に発生した台風10号についてテレビ番組で、気象予報士が「進路が予測しにくい」と語ったことが印象的だ。人工衛星を打ち上げて監視体制を整え、スーパーコンピュータで計算しても、数日後の予測が難しい。人間が科学の力で世界の動きを知ったといっても、ほんの一部でしかないことを象徴している。










先の読めない沖縄の天気と日韓関係 

 8月2日は何ともおかしな天気だった。2,3日前までの天気予報では雨マークはついていなかったが、2日は未明から雷の音が鳴り響き、強い雨が降っていた。これまでの体験からいえば、雷鳴は1,2時間もすれば収まるが、この日は正午近くまで響いていた。

 その後も、雲の切れ間から日差しが見え、天気がよくなるかと思えば、スコールのような強い雨が打ち付ける。ほぼ1日じゅう、この繰り返し。3日になっても、雷こそ鳴らないものの、似たような天気のパターンが続く。天気の歯車が少しずつ狂っているのかも。そんな予感がふと頭に浮かぶ。来週は台風8号が、沖縄に接近する可能性があるという。

 歯車が狂っているといえば、日韓関係も日本から韓国への輸出規制をめぐり、異様な雰囲気を呈し始めた。日本政府は規制の理由として「安全保障」を挙げているが、具体的な内容が明らかでないため、根本原因も解決の糸口も見えない。

7月27日の地元紙によれ、韓国から沖縄への団体旅行のキャンセルが相次ぎ、アシアナ航空の7月の県内搭乗率は前年同月に比べ10ポイント程度落ち込んだという。外国人観光客としては、台湾、中国に次いで韓国が多いため、沖縄産業の柱である観光業への影響が心配される。













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代表の編集雑記帳


「昔はよかった」に潜む危険 

テレビ番組などで、「マナー・モラルの低下」がよくクローズアップされる。何となく日頃から「そうだろうな」と思うし、自分勝手にゴミを捨てる映像が画面に現れると、かなりの説得力を持つ。しかし、具体的に資料を調べたり研究したりして、実証的に過去と比較したわけではない。昔はマナー・モラルについて厳しく躾けられたというイメージが浸透しているだけ。過去に理想を求める考えには慎重でなければならない。大倉幸宏著『「昔はよかった」と言うけれど 戦前のマナー・モラルから考える』(新評論 2013年)を読んでそう思った。

著者は、戦前の新聞や著作物からマナーやモラルの関する部分を調べ、当時の実態を描こうとする。列車への割り込み乗車、車内でのゴミ捨てや宴会騒ぎ、横行する無賃乗車、ゴミ捨て場と化した道路・河川や公園、輸送荷物からの抜き取り、犬猫の死肉販売。現代日本では考えられず、どこか途上国のような行いの数々である。

  こうした実例を挙げながら、現代の方の方が、明らかにマナー・モラルが向上していると断定するとともに、著者は最後に、道徳教育のあり方に疑問を投げかける。戦前には、道徳が教科として教えられていたにもかかわらず、かなりひどい状態。今、安倍内閣のもとで再び道徳を教科にしてもマナー・モラルの向上に効果があるのか。いつ、なぜ日本人のマナー・モラルが崩れたかは議論の余地があると思うが、道徳の教科化についてはまったく同感である。






 


日韓関係と沖縄 

 日韓関係の冷え込みが、沖縄の観光業にも影を落としている。地元紙によれば、8月21日までに那覇と韓国を結ぶ航空路線の運休・減便を決めたのは、6社3路線。週71便が段階的に減り、9月末までに最大で36便の減便、つまり半分以上に減ることが見込まれるという。

 沖縄以外でも、韓国に近い九州各県などで観光客の減少に見舞われている。結局、日韓関係で一番影響を受けるのは地方。もともと経済の規模が小さい分、韓国からの観光客に頼る部分は大きく、中央政府によるメンツ争いのしわ寄せをまともに被る。

 ソ連と米国が世界を二分していた冷戦時代から、突出した超大国のない多極化と相互依存の時代では、同盟国の親分が指示したとおりに他国が動くとは限らず、ちょっとやそっとの経済の圧力では方針転換するはずもない。独裁国家ならともかく、民主国家では、他国の圧力に屈したと国民にみなされれば、ナショナリズムの嵐が吹き荒れ、国の指導者は政権の座にとどまることは難しい。

 つまり、他国に方針転換を迫ろうとすれば、軍事的に攻撃するか、外交の力で交渉するしかない。ただ、外交交渉の場では、互いに国民の支持をもとに政権を運営しており、相手から100%の譲歩を引き出すことは不可能だろう。いずれにせよ、軍事的な対決を望まなければ、話し合って互いに一定程度譲り合うしかない。北朝鮮の金委員長に対しては「前提条件なしで会う」と明言している安倍首相は、なぜ同じ姿勢で韓国に臨めないのだろう。











沖縄と吉本興業 



 最近のテレビは吉本興業に関する話題で持ち切りであるが、反社会勢力とのつながりから、芸人と会社の専属契約、社長や会長との信頼関係まで幅広い問題が絡み合い、何をもって「問題が収束した」と呼べるのかわかりにくい状況にある。

 沖縄と吉本興業のかかわりといえば、沖縄国際映画祭を思い浮かべる人が多いだろう。吉本興業という大手の芸能事務所が主催するおかげで、毎年有名芸人や俳優が多く参加し、観光地・沖縄を盛り上げる。加えて、沖縄県内の全市町村が地元PR動画を制作し出来栄えを競うなど、地元参加型のイベントも企画している。

 この映画祭でリーダーシップを発揮してきたのが、今の吉本問題に深くかかわる人物、大崎洋会長といわれる。実際、映画祭の期間中は社長として(現在は会長)よく関連イベントに参加していた(右写真でスクリーンに映し出された男性が大崎社長<当時>)。映画祭そのものは収支的には厳しいものがあり、大崎会長のリーダーシップがなかったら今のように続かなかったのだろう。

 ただ、それも、沖縄側から見ればであり、芸人からみれば、手荒く映画祭に駆り出され不満のもとになったとも聞く。芸能界のことはまったくの素人だが、気になるのは芸能事務所の強さである。もし、純粋に契約の問題であれば、事務祖と芸人は対等の関係であり、契約解除がこれほど大きな話題にならないはず。10年以上、アメリカなどで暮らしていたが、芸能人と事務所の契約問題がこれほど大きく取り上げられるのを聞いたことがない。日本以外の国々と比べた場合、日本の芸能界の異様さが目立つ。










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島暮らしジャーナル 過去の記事

基地を読む


 ・米軍ヘリ窓落下も他人事

 ・空母の夢と沖縄

 ・止まらない辺野古新基地建設

 ・忖度ジャパンを超える沖縄を

 ・平成の終わりを迎える沖縄の空

 ・変わらない新基地建設と日本政府

 ・無責任時代の米軍基地と原発

 ・単純化される沖縄ニュース

 ・本土から来た基地をなぜ返せない?

 ・沖縄戦後史が語るもの

 ・普天間の移転先選びは沖縄の責任か

 ・駐留米軍の脅威が台風だった時代

 ・翁長知事の亡き後の沖縄

 ・新基地建設に反対する理由

 ・慰霊の日と軍用機の訓練

 ・訓練空域と化した那覇市上空

 ・埋め立ての進む辺野古沖

 ・那覇市上空を闊歩する早期警戒管制機

 ・日常化する軍用機騒音

 ・米軍ヘリのトラブル続きで本音!?

 ・沖縄の米軍ヘリ事故で日本従属が浮き彫り

 ・米軍ヘリの墜落と基地負担の粉飾

 ・沖縄から見える反米と石油禁輸の光景

 ・オスプレイが飛び続ける理由

 ・北朝鮮のICBMと沖縄の基地

 ・監視社会と日本

 ・お試し安保と改憲に普天間移設

 ・映像イメージの北朝鮮と沖縄

 ・沖縄の米軍基地と北朝鮮をめぐる危機

 「基地依存」にまつわる沖縄神話

 ・トランプ政権と沖縄

 ・沖縄から見える首相の真珠湾訪問

 ・飛行再開で那覇市上空にもオスプレイ

 ・ 軍用機飛び放題の沖縄の空

 ・各国の思惑入り乱れる沖縄

 ・北朝鮮政策と辺野古移設

 ・環境問題から捉える辺野古問題

 ・のどかな離島でも軍事訓練

 ・高江ヘリパッドと民主主義

 ・都知事選騒動の陰で新施設着工

 ・EU離脱と沖縄の基地

 ・基地被害を訴え続ける沖縄

 ・日米同盟を過信していないか?

 ・オスプレイ輸送を考える

 ・問われない基地負担軽減の真偽

 ・辺野古移設と宜野湾市長選

 ・小泉進次郎人気と宜野湾市長選

 ・宜野湾市長選や参議院選の予防線か

 ・軍用機飛び放題の那覇上空

 ・見え見えのディズニー宜野湾誘致

 ・提訴後の辺野古・抗議現場

 ・ヘリ護衛艦が米軍港に

 ・辺野古をめぐる政府内の茶番

 ・「辺野古監視3委員への寄付」を読む

 ・ユネスコと辺野古とメディア攻撃

 ・オスプレイの訓練強化と紛争のゲーム化

 


伝統芸能・行事

 ・混雑する街中エイサー

 ・エイサーの伝統と創作

 ・食で見る沖縄の年末風景

 ・メリハリのきいた獅子の動き

 ・旧盆を迎える沖縄

 ・宜野湾市大山区の大綱引き

 ・橋から飛び込む奥武島ハーリー

 ・月桃の季節と共同井戸

 ・地域ごとに違う清明祭

 ・素朴な調べが響く首里のクェーナ

 ・足を激しく踏み鳴らす汀良町の獅子舞

 ・月夜の首里城で歌や組踊

 ・知名のヌーバレー

 ・伊集の打花鼓

 ・北谷の南ヌ島

 ・葬送儀礼の移りかわり

 ・夜に催されていた那覇大綱挽

 ・ガーエーから綱の合体へ 那覇大綱挽の本番

 ・那覇大綱挽で盛り上げ役の旗頭

 ・沖縄の葬儀と墓を考える

 ・真栄里の大綱引は激しいぶつかり合いも

 ・休憩タイムもある糸満大綱引 

 ・地域によって違う沖縄の獅子舞

 ・中秋の名月と沖縄の獅子舞

 ・小浜島のダートゥーダー

 ・独特の所作が際立つ与那の海神祭

 ・神々しい空気漂う比地のウンジャミ

 ・エイサーとコンクール

 ・街角のエイサー演舞

 ・地域差が大きい南風原町の綱引き

 ・立つ創作・企業系のエイサー団体

 ・締太鼓を蹴り上げるエイサーも

 ・うるま市のエイサー

 ・エイサーの移り変わり

 ・部外者禁止の秘祭、アカマタ・クロマタ

 ・角をぶつけ合うヤギたち

 ・海で穢れを落とす浜下り
 
 ・月蝕の空と神ありし日々

 ・なぜ御嶽がそこにあるのか

 ・一段と華やかさを増すジュリ馬

 ・粟国島のマースヤー

自然と食

 ・台風17号の接近と災害大国日本の未来

 ・例年と違う沖縄の気候

 ・先の読めない沖縄の天気と日韓関係

 ・台風一過とはいかない沖縄の天気

 ・セミの抜け殻と夏至南風

 ・沖縄とカツオ

 ・沖縄のコウモリ

 ・狂い始めたか沖縄の気候

 ・通りを彩るホウオウボク

 ・今年もシロツメクサの季節に

 ・暖かさが不気味な沖縄の冬

 ・失われた沖縄の風景

 ・真夏の朝にサガリバナ

 ・疑惑を追及する日米メディアの差

 ・梅雨入りした那覇と復帰45周年

 ・沖縄の花の季節

 ・沖縄で花開く熱帯木

 ・那覇でもデイゴが開花

 ・東京はサクラ、那覇はイッペー

 ・旧正月と立ち飲み屋

 ・ぴんとこないヤンバル世界遺産

 ・樽貯蔵の神村酒造を見学

 ・開発の波をもろにかぶるウミガメ

 ・増える希少動物の交通事故

 ・本島ではサンゴ礁10%以下が8割

 ・ヤンバルクイナが増えているかも

 ・真夏の清涼剤サガリバナ

 ・鮮やかな花をつけるホウオウボク

 ・ミジュンの煮つけ

 ・姿を変える沖縄の干潟

 ・本島南部の小規模酒造所めぐり

 ・離島の辛口泡盛を試す

 ・泡盛と焼酎の境界を考える

 ・自分へのご褒美で国華を購入

 ・泡盛の比べ飲み 咲元・珊瑚礁編

 ・離島フェアで黒糖焼酎

 ・ケラマジカとの遭遇

 ・野趣あふれる宇嘉川歩き

 ・激変する浜辺の風景

 ・台風15号接近中のフクギ

 ・表情を変えるヤンバルの川と生き物たち

 ・台風と夕焼け

 ・花をつけない那覇市の街路樹

 ・意外に難しいデイゴの満開

 ・カツオと沖縄の深い関係

 ・カルスト地形に揺れるテッポウユリ

 ・泡盛のブレンド力

 ・沖縄から見える塩づくり

 ・豆腐に懸ける沖縄の情熱


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代表の編集雑記帳 過去の記事


 ・批判のない内閣改造報道

 「昔はよかった」に潜む危険

 ・日韓関係と沖縄

 ・沖縄と吉本興業

 ・トランプ時代の慰霊の日

 ・どこに行ったハコモノ行政批判

 ・皇位継承に漂う戦前の香り

 ・沖縄が迎える改元とゴールデンウィーク

 ・日本人と元号と沖縄

 ・平成最後のサクラと自己陶酔ムード

 ・コカインとボリビア旅行

 ・絆時代の日本人を考える

 ・平成最後に感じる内向きの香り

 ・日系新聞の廃刊と歴史を消す国

 ・米軍基地と沖縄移民

 ・ネコブームと大阪万博

 ・溝が深まる日韓関係

 ・岐路を迎えた沖縄のアーケード

 ・破壊と再生を考える崇元寺

 ・台風24号が接近中の那覇

 ・色あせた言葉とぬるま湯の中で

 ・スコール化する沖縄の雨と「日本万歳」番組

 ・薄れゆくお盆の感触

 ・沖縄から見える忖度日本の行方

 ・浦添市美術館の北斎展

 ・ネコブームについて再び

 ・オウム世代の高学歴が抱える弱さ

 ・グアテマラの火山噴火を考える

 ・70年以上変わらない「上官命令」

 ・過去と向き合わない日本政府

 ・どこへ行った「主権回復の日」?

 ・ヒカンザクラが那覇市内でも見ごろ

 ・猫ブームと那覇の街角

 ・ 正月の首里城と出版展望

 ・日馬富士騒動の陰で消えたもの

 ・『首里城への坂道』に読む人生の形

 ・見えにくい保守と革新の境界線

 ・旧盆ムード漂う沖縄の街

 ・加熱する沖縄の夏と憎しみの連鎖

 ・台風5号の接近と改造安倍内閣の発足

遠くなりゆく戦後と戦跡

 ・盛り上がらない那覇市議選

 ・トランプ流がはびこるグロテスクな時代

 ・謙虚さが失われて深まる権力者と忖度の関係

 ・疑惑を追及する日米メディアの差

 ・監視社会と日本

 ・沖縄を語る難しさ

 ・「火花」に感じた太宰の影

 ・雰囲気重視の就活

 ・日本の働き方と休み方を考える

 ・むなしく響く「プレ金」

 ・「安保条約5条適用」は手柄か?

 ・選択に挑んだ英国と選択を避ける日本

 ・振り払えない成長幻想

 ・日本人は新幹線開通に弱くなったのか

 ・観光振興と社会的憎悪社会的憎悪

 ・総活躍社会に漂う戦前の香り

 ・実現寸前だった宮古・八重山分割案


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◆沖縄探見社について◆

沖縄にはヤンバルクイナやイリオモテヤマネコなどユニークで多様な生き物を育んできた自然があります。また、独立国「琉球王国」から日本への併合、さらにアメリカの支配下、そして日本への復帰という特異な歴史を歩んでいます。これらを知ることそのものも興味深く楽しいですが、本土にいたのでは感じにくい日本の光も影も、歪みも矛盾も直に感じられます。 

どこにいっても目抜き通りは、外から訪れた人に対して見栄えよく整えられています。土地の人々の気持ち、習俗、文化を知ろうと思えば、路地裏に回る必要があります。それと同じように、中央で「モノづくり大国」「伝統と儀礼の国」など日の当たる部分にばかり目を向けるだけでは日本のほんの一面しか分かりません。中央から最も離れ、取り繕うことからほど遠い「路地裏」沖縄では、日本のさまざまな面が見えてきます。沖縄を訪れようとする人はもちろん、さしあたって訪れる予定のない人も、「路地裏」からの目線で沖縄を、そして日本をとらえる相棒となるような本づくりを心がけています。




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